シンチャオ!←(もはやどこの国の人だか不明)
トミーです。
今回は引き続き、アートプロデューサーの林曉甫さん(29)へのインタビューです。
9/5に掲載された「普段とは違うメイクでイメチェンされるとそのギャップにドキドキします」の続編にあたります。
男性が、女性にメイクから読み取るメッセージ
トミー:イギリス人のメイクアップアーティストの女性が、「独身の頃は夫が華やかなメイクを喜んでくれたのに、一緒に住み始めた途端に口紅の色が濃すぎるとか言い始めて。男って何なのよ、もう」ってぼやいていました(笑)。
国の文化よりも経済階級の方が強い要素なのかと思うけれど、やっぱり子どもの頃に刷り込まれた理想の母親像=女性像なんですかね。自分の母親でも、きれいにしていてくれたら嬉しいと思うんだけれど。それともパートナーが魅力的になった時に、引き留めておく自信がないのかな。
林:地域性について正確なことはわかりませんが、自分が魅かれている鮮やかな口紅の色に、他の男性も魅力的に思うんじゃないかと心配する気持ちはなんとなくわかります。自分のパートナーになった途端、急に保守的になる(笑)
メイクって、人に与える印象を変えることができるじゃないですか。自分の置かれている立場や状況、伝えたいメッセージを考えて、自分を「着替える」ことができる。他者に向けてだけでなく、自分自身に対してもできますよね。そう考えると、メイクってスゴいなって思います。
トミー:男性にとって、女性のメイクにあたるプライベートとパブリックを区切る手段や儀式って何でしょうかね。
林:僕はほとんど着る機会がないのですが、企業に勤めている方ならスーツやネクタイとかでしょうか。個人的には、外出前に整髪料や香水をつけることが多いので、その時にパブリックな場に行くモードになります。
愛車だった、遠藤一郎の作品「別府未来へ号」に乗る林さん。
トミー:林さんみたいに、アート関係の仕事をしていらっしゃる方は美意識が強いんじゃないかと勝手に想像しているんですが、電車でメイクをしている女性についてどう思いますか?私はどちらかというと、ポスターなどで圧力をかける現象の方により強く興味を感じますけれど。
林:電車でメイクをするしないを公的に決める必要はないと思います。ただ、個人的に人前でメークをするのはあまりイケてないなと思ってます。化粧を車内でするということは、自分の変化の過程を人目にさらしていることになるので、例えるなら見せないでいい舞台の「転換」を見せちゃっている感じでしょうか。どうせメイクするなら、歌舞伎の見せ場の「早変わり」を支える黒子のように、メイクをする行為自体が絵になるようならそれもまたいいのかもしれませんが。
女性が年齢を重ねていくことの魅力
林:日本が高齢化していくなかで、「加齢 ― 年を重ねていくことに対しての美しさ」することの美しさはもっと評価されるべきだと思ってます。若く見せるすべを探るのもいいけど、年を重ねることで現れる状態を、いかに美しく見せるか。年を重ねないと現れない美しさってある気がします。
トミー:やっぱりパートナーや家族の女性には、いつもでも若く美しくあって欲しいと思いますか?
林:そうですね。年を重ねた、美しくをもっている人はいいなと思いますね。そして美しくありたいという理由からいくつになっても、丁寧なメイクをされている方は素敵だと思いますね。
鳥取藝住祭 2014
トミー:最後に、林さんが総合ディレクターを務める「鳥取藝住祭2014」についてお聞かせください。
林:「藝術が身近にある日常」というテーマで、県内各地に作家が滞在して作品制作をするプロジェクトです。
一般的に、展覧会は、完成された作品を鑑賞するものですが、この企画ではアーティストの制作過程に参加したり、制作途中を知ってもらい更に完成 作品を楽しんでもらうというものです。また、アートを楽しむだけでなく、同時にその地域の美味しい食事や、町並み、街の人との交流を楽しんでもらえればと思っています。強引に車内メイクの話につなげるなら、電車内でメイクをしている状況を見てもらいながら、完成したメイク姿も楽しむプロジェクトです。
作品を見て「良かったね」で終わるのではなく、会場で制作している作家と話をしたり、たまたまいた地元の人に町を案内してもらったり、芸術とその地域の生活の一端に触れてもらい、一人でも多くの人が鳥取への興味をもつこと、そして中には移住しちゃおうって人が生まれたらいいなと思っています。
トミー:じゃぁ、運が良ければ鳥取で林さんと一緒に飲みに行けるかもっていう楽しみもあるわけですね。
林:10/7〜20は鳥取に滞在する予定です。鳥取は美味しいものも多いし楽しめると思います。タイミングが合えばぜひ鳥取を一緒に楽しみましょう!
鳥取藝住祭2014 9/5(金) ~ 11/30(日)鳥取県内8地域で開催
詳細は、下記ホームページからご確認ください。
ホームページ:
http://tottorigeiju.com/
Facebook:
https://www.facebook.com/tottorigeijusai