あきゅらいず

Vol.50 冬至の話

湯 忠立先生

2014/12/17

一年で最も夜の長さが長くなる冬至は、陰陽学説では陰の極まる日ということになります。
太陽の力(陽)は冬至の日まで徐々に弱まり、この日を境にゆっくりと回復して再び力が強まっていきます。

touzi.jpg

このことから冬至は、再生の日、「一陽来復(いちようらいふく)の日」として尊ばれました。
 
中国の太陰暦(たいいんれき)で冬至は、暦(こよみ)の起点とされ、厳粛な儀式を行っていました。今では父母や年長者を称え、祖先を祭る節句の日として一家団欒で過ごすようになっています。

日本でも柚子湯に入ったり、カボチャを食べたりという風習がありますが、中国では地方によって祝い方はさまざまで、赤飯を食べたり、ワンタンを
食べたり、米酒を飲んだりという習慣があります。

私の住んでいた東北部では餃子を食べます。それぞれ面白い由来話があるんですが、どれも次に来る一年の始まりとして、来る年の健康と幸福を願う心が込められています。

今年の冬至は12月22日です。
陽気が回復し始める冬至は、新しいことに挑戦するにも最適の日といえますね。

※記事の無断転用は禁じます。

この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。