あきゅらいず

Vol.73 ハトムギ

湯 忠立先生

2015/06/24

ハトムギは中国南部やインドシナ半島など、南アジアを原産とするイネ科の一年草で、植物分類では麦よりトウモロコシに近いといえます。
たんぱく質、脂肪、カルシウム、ビタミンB群、鉄、カリウムを豊富に含む栄養価の高い食材で、必須アミノ酸を含むアミノ酸総量は白米の2倍以上あり、葉酸は1.4倍、食物繊維は1.2倍含まれています。
 
中医薬では「?苡仁(ヨクイニン)」と呼ばれ、「神(しん)農本(のうほん)草(ぞう)経(きょう)」(中国最古の薬物学の書)でも「上品」(上等な薬)に分類されています。主な効能としては以下のようなものが挙げられます。

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● 消化不良、食欲不振、下痢に効果があります。
● 利尿・利水作用が高いので、むくみ、排尿トラブル、尿路結石に効果があります。
● 熱(炎症)を取り去る作用があるので、関節炎や四肢のしびれに効果があります。また膿を排出する作用もあります。
● 抗がん作用、特に胃癌、子宮癌の予防・治療に効果があります。
● 肌につやと潤いを与え、ニキビやシミ、そばかす、老人班に効果があります。またイボを取る作用も知られています。 
 
このように、ハトムギは日常的にすすんで摂りたい食材ですね。
ジメジメしたこの季節は特に(^^)
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。