あきゅらいず

Vol.86 寒露

湯 忠立先生

2015/09/23

寒露とは、草木に降りる露が冷たく感じられるという意味を表しています。本格的な秋の始まりともいえる頃で、10月8日前後に当たります。

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中国では「寒露には脚を露わにするな」と言われています。

脚は心臓から遠く離れているので血液の流れも滞り易く、脂肪層も比較的薄く寒気に侵され易いので気をつけなさいという意味です。脚部が寒気に侵されると、呼吸器系統の毛細血管が収縮され易くなり、抵抗力が衰えることになります。

そして寒気の刺激に敏感な呼吸器官の活動を弱めて、気管支炎や喘息などを誘発する原因となります。

10月13日頃には、中秋の名月(十五夜)の次に美しいといわれている十三夜を迎えます。この頃には秋の長雨も一段落しますので、足元を冷やさないように注意しながら、夜空の景色を楽しんでください。

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。