あきゅらいず

Vol.103 二十四節気の気功

湯 忠立先生

2016/01/27

中国、宋の時代に高廉が編纂した『遵生八牋』に、「二十四節気坐功」が載っています。これは、季節の変遷に沿って現れやすい心身の不調に導引(気功)で的確に対処するというもので、二十四節気それぞれに功法とその効能が記されています。いくつかご紹介しましょう。

 
 
≪立春正月坐功≫
功法:23-3時、あぐらに坐って両手を重ね、左大腿を押さえ、腕を突っ張りながら体をそらし、右後方を仰ぎ見る。この時に息を吸い閉気する。左右を換えて3~5回繰り返す。
次に歯を36回噛み合わせ、濁気を吐き出し精気を吸い込んで、口中にたまった津液(唾液)を3度ずつ3回に分けて呑み込む。(この部分は全部の動作に共通です)
効能:肩背痛、腕肘痛を治す。
 
≪小寒十二月vol.103.jpg
功法:胡坐に坐って片手は足裏に当てて押さえ、片手は上に高く挙げる。この時に息を吸い閉気する。左右交代して3~5回繰り返す。
次に歯を36回噛み合わせ、濁気を吐き出し精気を吸い込んで、口中にたまった津液(唾液)を3度ずつ3回に分けて呑み込む。
効能:胃痛、腹脹を治す。
 
≪大寒十二月中坐功≫
功法:両手を後ろにまわして地を支える。左足を伸ばして力を入れ、右足は折って浮かせる。この時に息を吸い閉気する。3~5回繰り返す。
次に歯を36回噛み合わせ、濁気を吐き出し精気を吸い込んで、口中にたまった津液(唾液)を3度ずつ3回に分けて呑み込む。
効能:足背痛、腹張を治す。
 
特に冬は運動不足になりがちなので、こうした軽い運動で体をほぐし、気の流れを順調に保つことが大切です。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。