あきゅらいず

Vol.101 大寒

湯 忠立先生

2016/01/13

毎年1月20日ごろ、24節気の一番最後の大寒を迎えます。
1年のうちで最も寒い時期にあたり、大雪や凍結による交通マヒへの対応、農家では作物の防寒対策に注意を払わなければなりません。

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私たちの体内でも、寒さに対応するため大量のエネルギーが消費されます。
しっかりエネルギーを蓄えて寒さに対処する必要があります。
脂肪食品や羊肉などを少し多めに摂るようにして、基礎体力をつける「補」の薬膳を中心とした食生活を心がけましょう。
 
また、この時季は空気が乾燥していますので、水分補給も忘れないようにします。
気温が低いので咽喉の渇きは感じなくても、体内では水分が不足しがちになります。
水分の多い果物なども適度に食べるようにすると良いでしょう。部屋の中も乾燥させすぎないように、加湿器などを上手に使うようにします。
 
中国医学では、冬は「閉蔵」の季節としています。全てのものがひっそりと力を蓄えていく、そんな季節です。

人間も充分に睡眠をとって、来るべき春に備えなければなりません。
「寒さは脚から起こり、冷えは腿から来る」という諺がありますが、寝る前に足湯をすると血液の循環が良くなり、睡眠の質を高めるのにも効果的です。

「冬に運動すれば病気無し。怠けていると薬をたくさん飲むようになる。」とも言われています。
適度な運動は、寒さに対する抵抗力を高めます。
出来れば寒い屋外での運動は避けた方が良いですが、屋外でする場合は、陽が昇ってある程度気温が高くなってからにしましょう。

大汗をかいたり、体力を消耗させるほどの運動は必要ありません。
大寒の養生は、こうした生活を心がけていれば大丈夫です。暖かい春はもうすぐ、目の前まで来ています。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。