あきゅらいず

Vol.127地球の多様性

湯 忠立先生

2016/07/27

今、地球上には百万種以上の生物種があるといわれています。
その多様な生き物たちは、全てが地球上に満遍なく、平均しているわけではありません。

北極や南極に近い寒い地域や、赤道近くの熱帯地域、あるいは高い山の上や、低い水辺、更には水の中、それぞれがそれぞれに合った環境の中で暮らしています。

逆にいうと、それぞれの生き物たちは、自分たちを環境に合わせて進化させてきた結果、このような多様な生態系が出来上がったのです。

あるものは寒さに強い、またあるものは暑さに負けない身体を作って、環境に適応してきた。
ある生き物がある特定の環境でしか生きられないということは、その環境と自分とのバランスを整えるため、自分の姿を変えてきたということもできます。

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ところで私たち人間はどうでしょう。世界中の至る所に、生物学的には全く同じ種類の生き物が暮らしています。
しかも今や、あらゆる情報がグローバルになって、何時でも何処でも誰でも、同じものを見たり、手に入れたりできるようになっています。

地球上の環境はそれぞれ異なるのに、人間だけは均一化されている。
それでも大自然と人間のバランスは保たれているのでしょうか?
 
私たちは、せめて食べるものだけでも環境に適したものを選びたいものです。
そのために薬膳の伝統が役に立つなら、何よりだと思います。

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。