あきゅらいず

Vol.130身体の食感

湯 忠立先生

2016/08/17

お腹が減るから食事をする・・・と考えている人が多いと思いますが、本当にそうでしょうか?
飽食の時代といわれる現在、三度三度の食事を空腹感を満たすために摂っていると本当に言えるでしょうか?
 
必要なものを必要な分だけ食べるのが正しい食生活といえるのですが、嫌いなものは避けて、好きなものや美味しいものは、つい食べ過ぎてしまう。
それが私たちの日々ではないでしょうか。
 
例えば犬や猫は必要なだけ食べたら、後はエサが残っていようがお構いなしですね。

そして何か悪いものを食べたときは、草を食べて自然に調整しています。それもその時々で食べる草が違います。
何を食べたら良いかということが、ちゃんと分かっているんです。

inuneko.jpg

 
それに比べて私たち人間はどうでしょう。
「今タンパク質がこれだけ不足している」とか「必要なビタミンはこれとこれ」などと、本当に身体の要求に応えているといえる人はいないでしょう。
でも少し気をつければ、自分の身体が何を欲しがっているのか、感じ取れると思うのです。

それには多少、知識と訓練が必要です。

薬膳の基礎になっている食材の性質を覚え、それを食べたとき自分の身体がどう感じるかを確かめていけば、今身体は何を欲しがっているのかが分かるようになるはずです。

そして身体が本当に欲しがっているものは、何よりも美味しく感じられるでしょう。

※記事の無断転用は禁じます。

この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。