Vol.161 一期一会

湯 忠立先生

2017/04/19

日本の茶道に『一期一会』という言葉がありますね。人と人との出会いは一度限りの大切なものという意味ですが、私たちの毎日の生活全体に広げて、その一つひとつが一期一会だと考えると、なかなか奥深い言葉になっていきます。
 
例えば、毎朝、いつも同じようにトーストにサラダとコーヒー、あるいは納豆に味噌汁とご飯という朝食を食べていて、特別な感激はないでしょう。でもそれを、一生に一度の朝食だと思ってみると、何かしらとても不思議な感じがするはずです。毎日の習慣だからと、何気なく食べているものが、また一味違って味わえるでしょう。
 
でも良く考えてみると、毎日同じ朝食を食べていても、食べている私たちの方は毎日違っているはずです。前の日に食べ過ぎたり飲みすぎたりした翌朝と、快適な一日を過ごしてぐっすり熟睡したあとでは、同じものを食べても受け入れ方に違いが出来てしまいます。毎日の習慣として同じものを食べていても、それはやはり一期一会の食事だといえるのです。ですから、朝食との出会いを大切なものと考えれば、そこに工夫が生まれ、一度の食事が私たちにとってより良いものになるはずです。
 
日々の暮らしの中で、一つひとつの出来事がすべて一期一会の出会いだと思って過ごせれば、その日一日がより素晴らしいものになっていくでしょう。

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。

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