あきゅらいず

Vol.201 食の宝庫

湯 忠立先生

2018/02/ 7

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「アメリカの家に住んで、日本人の奥さんをもらって、中国の料理を食べる。これが理想の生活だ。」そんなふうに言われていたことがあるそうです。今は少し事情が違ってきているかもしれませんが、広々とした家に住み、優しい奥さんと、美味しい中国料理を食べる。まさに誰もが憧れる生活ですね。
 
中国は食の宝庫と呼ばれるように、長い伝統に培われた様々な料理があります。これらは味や栄養バランスはもちろん、見た目の美しさも群を抜いています。自然界を色とりどりに活き活きと再現した「花式冷盤」は美しい絵画を見るようです。さらに「陽春白雪」「銀珠牡丹」「金玉圍翠」「玉手摘桃」「宮門献魚」・・・こうした詩情豊かな料理名は食事の余韻を充分楽しませてくれます。こうした料理は、土地土地の文化と深く関わりながら、次第に洗練され、磨きあげられてきました。いわば中国文化の集大成が中国料理と言っても過言ではないでしょう。 薬膳もそんな環境の中で発展してきたのです。さまざまな文化に思いを馳せながら召し上がっていただければと思います。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。