みなさま、ご無沙汰をしております。
空にはうろこ雲、通りは金木犀の香りといつの間にか秋に変わっていますが
お変わりなく、すこやかにお過ごしでしょうか。
中秋の名月が見られた昨日、
「栗きんとん」を100個近く作った『ものづくりの現場から』の現場監督内藤です。
ここ3回は、美養品を製造する工場、
まさしく『ものづくりの現場』についてお伝えをしてきました。
今回は、『ものづくり』のベースとなる研究についてお話をしたいと思います。
みなさまにお届けしていますあきゅらいずの会報誌『す ふ ふ』の第7号に
掲載されておりました「天然精油の香りと眠りの不思議な関係」の
お話を聞かせてくださった谷田貝光克(やたがいみつよし)先生※1と
私が初めてお会いしたのは、2年半ほど前、
屋久島につくったグループ会社「やわら香」の打ち合わせ部屋でした。
↑ 昼間、熱のこもったディスカッションを繰り広げた後は、和気あいあいの飲みニケーション
「屋久島の里山をどうにかせんといかん」
荒廃した森を整備するために新しい事業が始まり、
屋久島の地杉から採れる「香り」で何か出来ないかと
集まったメンバーの一人だったのです。
谷田貝先生のお話は、私に「ものづくり」への大きなモチベーションを与えてくださいました。
↑ 年齢を聞いて「ウソですよね?」と聞き返したほどパワフルに全世界を駆け巡っておられる谷田貝先生
「山は私たちの生活の源であり、生活の基盤である。山に生えている木こそがその役目を担っている。山の木は雨を根で受け止め、水源のもととなり、また土砂崩れなどの山の崩壊を防ぐ。木は伐らなければ育たない。伐って新たな苗が育たなければ元気な山は育たない。そして、伐った木は利用されなければ環境は守れない。木を利用することこそが山が元気を取り戻し、私たちの生活にも活力を与えてくれることになる。木が持つ特有の香りの利用もまた、山が元気を取り戻すのに一役買うことになる。」
谷田貝先生の「屋久島の地杉には本土の杉に比べて約20倍の精油成分が含まれている」という研究結果から
屋久島の地杉の精油抽出が始まり、「香りの定期便」という新商品が出るきっかけとなりました。
そして、もう一人、このとき集まってメンバーの中にいらしたのが
清水邦義(しみずくによし)先生※2でした。
↑ 朝4:00起床で、日の出を見に出かけた清水先生と私。海を眺めながら語り合いました
ただ研究するだけではなく、学会発表を行い、研究した結果が私たちの生活に役立つことが大切だと
清水先生はおっしゃっていました。
この考えにすごく共感し、嬉しく感じたことを昨日のことのように覚えています。
そして、「屋久島の地杉から抽出される精油には、どんな効果があるのか?」を
テーマに研究をスタートさせました。
精油を抽出するときに一緒にできるアロマウォーターやディープウォーターにも効果があるのか?
また、地杉の部位、例えば、幹と枝では含まれる成分に差があるのか?
などなど次から次へと研究テーマが出てきました。
こうして進めてきた研究について、学会発表を行ったり、セミナーを開催したり、論文が雑誌に掲載されたり、
そして、まもなく文献にもなります。
<学会>
○第64回日本木材学会大会
屋久島に自生する杉(地杉)の生理活性に着目したカスケード的利用法の探索
○第21回日本木材学会九州支部大会
屋久杉(地杉)の精油および各種副産物における機能性探索
<セミナー>
○屋久島地杉の集い 木育セミナーin 福岡
<論文>
AROMA RESEARCH No.55 (Vol.14 / No.3 2013)
私たち『ものづくりの現場』では、すごく大切にしていることがあります。
それは、科学的なデータや試験にて裏付けされたものだけを商品化するということです。
この約束事に従い、研究も日々続けています。
もう一人、谷田貝先生からご紹介していただきました高岡正敏(たかおかまさとし)先生※3です。
今年2月お会いする機会があり、新しい研究(試験)を開始しました。まさしく現在進行中の研究です
↑ この優しい笑顔。初対面とは思えない温かい雰囲気を作り出してくださった高岡先生
「ダニのことなら、この先生!」と太鼓判を押されて紹介していただきました。
初めて先生の仕事場にお邪魔したときに、大きなダニの絵があり、驚きましたが、先生は住環境における問題を調査し、その改善や解消をずっと目指しており、物静かな中にも熱いものを感じさせる方でした。
「アレルギーやアトピーで困っているご家族を救いたい!!」
「安心して生活ができる住環境づくりを日々考えています!!」と。
私たちの精油が「森づくり」だけでなく、「人生も変えられるかも!?」と感じた瞬間でした。こちらの研究内容は近いうち、本当に間もなく、みなさまにお知らせすることができそうです。
このようにいろんな先生方との出逢いがあり、私たちは新しいブランドづくりを始めることができました。
研究をしていることをみなさまにお知らせするのは初めてだと思います。
『ものづくりの現場から』の新たな側面を今回はお伝えしました。
※1 谷田貝光克先生:理学博士、東京大学名誉教授、香りの図書館館長
※2 清水邦義先生:九州大学農学研究院環境農学部
サスティナブル資源科学講座 森林圏環境資源科学研究分野
※3 高岡正敏先生:医学博士、㈱ペストマネジメントラボ代表取締役社長
内藤
商品チーム
あきゅの美養品の中で一番のお気に入りは「優すくらぶ」季節や気分に合わせて香りを使い分けています。/趣味は「工場見学」。まだまだのびしろがあると信じて止まない50代。