1999年、WHO(世界保健機構)の総会で「健康とは、身体的・精神的・霊的・社会的に完全に良好な動的状態であり、単に病気あるいは虚弱でないということではない」という定義が提案されました。
ここで重要なのは、「身体的」に良好なだけでなく、「精神的」にも良好な状態でなければならないという点です。
中国医学では、心と体は密接に関係していると考えていますが、「健康」ということを考えたとき、身体的にも精神的にも良好でなければならないと、改めて確認されたことになります。
身体的にはどんなに元気であっても、精神的に良好でなければ必ずバランスが崩れ、身体的にも良好な状態でいられなくなってしまうでしょう。
そしてもう一つ、良好な「動的状態」という点は更に重要です。
健康な状態というのは、決して静止した永続的なものでなく、その時々で移り変わるものだということです。
季節や環境、また個人々々の体質や体調の変化によって、私たちの体の状態は絶えず揺れ動いています。
その「動的状態」を良好に保つことが「健康」なのです。
中国医学では「バランス」ということを重視していますが、これは正に「動的状態を良好に保つ」ためのノウハウともいえます。
私たちは今一度「健康とは何か」について、深く考えてみる必要があるのではないでしょうか。
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