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Vol.159 バラ茶

湯 忠立先生

2017/04/ 5

「バラ」というと花屋にあるバラの花束を思い浮かべる方が多いでしょうね。でもバラ茶に使われるのは、それとは少し違う種類なんです。
 
中国では古くからバラ科のハマナス(玫瑰・メイクイ)の紅い花の蕾を乾燥させて作った玫瑰茶を、気の流れを良くし、女性の生理を調える効能がある貴重な補気漢方薬として珍重してきました。清代の宮廷では貴婦人たちが頬と肌をバラ色にする美容茶として好んで飲んでいました。開花直前に摘まれた蕾は、有効成分や植物特有の生命力が凝縮されているので、薬用効能も大きくなるのです。

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玫瑰花には、抗酸化作用があるビタミンA,EのほかビタミンB,C,K,Pも豊富に含まれ、また免疫過敏反応を抑える成分も含んでいます。そしてバラの香りが持つ鎮静や抗うつの効果は、気分をリラックスさせ、安眠にも役立ちます。抗酸化作用で老化を防ぎ、気を巡らすことで血行を良くして冷え性を改善し、更年期障害を緩和し、さらに花粉などのアレルギーも予防する、まさに理想的な薬茶といえます。
 
薬膳でも、こうした効能を活かした料理が作られてきました。森の食堂でも順次ご紹介したいと考えています。
 
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。