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Vol.163 5月5日の話

湯 忠立先生

2017/05/ 3

5月5日はこどもの日、正式には端午節といい、この風習も中国から伝わったものです。

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「端午」というのは「午のはじめ」のことで、十二支を各月にあてはめた時「午の月」は5月になるので「端午」は5月の初旬という意味になります。中国では古くからこの時期に薬草を摘み健康を祈願する習慣がありました。中でもよもぎや菖蒲は邪気を払う力があるとされ、菖蒲酒を作って飲んだり、よもぎで人形を作って飾ったりなどしています。今でも旧暦の5月5日を祭日としてお祝いしています。
 
子供の日といえば「ちまき」ですが、その元となった話が伝わっています。今から2300年ほど前、楚の国の屈原は国王の側近としてつかえ、人々からも慕われていました。しかし陰謀のため国を追われることになり、ついに汨羅という川に身を投げてしまったのです。その日が5月5日とされ、彼の死を悲しんだ人々は、たくさんのちまきを川に投げ入れて弔いました。
「ちまき」というと笹の葉で包んだ細長いものを思い浮かべるかもしれませんが、中国では米と一緒にさまざまな具材を入れて葦や笹の葉で正四面体に包んだものが主流です。森の食堂でお出しするのは難しいですが、色々なところで販売されていますので、是非一度お召し上がりください。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。