「体内の有害な毒素」というと皆さんは、多くの雑誌や書籍で扱われている、大気汚染や排気ガス、身の回りに増えつつある化学物質(食品添加物や防腐剤、化学肥料、農薬など)のことだと考えられるでしょう。もちろん、こうしたものも「毒」の一部には違いありませんが、現代社会において短時間で、また個人の力で解決できる問題ではありません。実は、更に多くの「毒」を作り出しているのは、私たちの悪い生活習慣なのです。
多くの日本人は、「栄養価の高いものをたくさん食べていれば健康を維持できる」と考えています。そこで現在の私たちの食卓には、高蛋白、高脂肪、高エネルギーの料理が並び、さらに各種の栄養補助食品、サプリメント、ビタミン剤などが所狭しと置かれています。これだけのものを摂取した後、もし適度な運動や肉体的な労働で有効利用されないと、これらは最終的に脂肪のかたちで体内の各器官や血管壁などに蓄積されてしまいます。そして新陳代謝を妨げ、現代病の原因となります。例えば肝臓に脂肪が蓄積されると、脂肪肝を形成して肝機能障害を引き起こし、血管壁に蓄積されると、動脈硬化、臓器の貧血の原因となり、また消化器官に蓄積されると、消化吸収が順調に行われず便秘などの症状が現れるという具合です。
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