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Vol.283 中医学と美肌5 なぜシミができるのか

湯 忠立先生

2019/09/ 4

ここからは肌のシミについて考えていきましょう。
 
皮膚細胞組織の末梢の循環が阻害されて細胞が死んだ状態になると、メラニンが増えてシミが出来ることになります。顔面部の皮膚は薄く、毛細血管も多く密集していますので、シミが出来やすい部位といえます。

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皮膚の色は基底層にある色素細胞で作られていますが、ある程度の炎症が起こると基底層とその下の真皮とを隔てている組織(基底膜)が壊れ、表皮に渡されるべきメラニン顆粒が真皮に落ちます。真皮に落ちると、もう垢となって表皮から落ちることは出来なくなりメラニン顆粒を食べる細胞(メラノファージ)が処理してくれるのを待つことになります。メラノファージは少数であるためメラニン顆粒がたくさん落ちると色が取れるのに年単位の期間が必要になります。これがシミとして残ってしまうのです。
 
皮膚に色素が溜まるとき、その原因によってさまざまな色になります。人体に関しては2種類の色素があります。
一つは人体が自分で作り出す色素で、皮膚に存在するメラニン細胞が作り出すメラニンなどです。メラニンは皮膚のどの深さにあるかによって現れる色は変わってきます。表皮部分にあれば黒や褐色となり、真皮の浅い部分ならブルーグレー、真皮の深い部分なら青になります。このグループの色素には他に脂色素、胆色素などがあります。
 
もう一つは外来の色素で、カロチン血症用薬品(アクリナミン・アデブリンなど)や使用期限が過ぎて劣質した化粧品に含まれる鉛、水銀、ヒ素などによる金属中毒、その他、刺青、土埃、車の排気ガス、鉄くずなどが皮膚に付着したものなどです。
また、皮膚に外傷があるとき粉塵やインクなどの異物が傷口から入ったとき、ヨードチンキ、ゲンチアナバイオレットを使用したとき、醤油やコーヒーなど色素を含んだ食物を食べ過ぎたとき、これらはいずれも色素が溜まりシミの原因となります。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。