Vol.7 猫のように食べよう

湯 忠立先生

2014/02/19

食べ方の癖というものがありますね。

一口で丸のみにしてしまう大食漢の人。ゆっくり噛んでのんびり食べる人。
来るものは拒まずと何でも食べる人。
好き嫌いの激しい人。
暴飲暴食の人。
食が細い人・・・。

中国の薬膳の研究の中では、こうした食習慣に関する考え方も整理されてきました。

現代の日本では生活のリズムが速くなり、食物も豊富で、多くの人は短い時間の中で多種類の栄養を摂ろうと、早食い・大食いの習慣になっているようです。
しかし、たくさん食べればそれだけ多くの栄養を摂取できるというわけではありません。

大食漢の人に消化不良の症状が増えているのが現実です。
食べたものの70%しか消化吸収できない人と、初めから腹七分しか食べない人とでは、人体にとって有効な栄養分は同じことになります。
また胃腸にそれだけ負担をかけていますので、胃炎や胃潰瘍、十二指腸炎、十二指腸潰瘍の発生率は格段に大きくなります。

薬膳研究会のスタッフの家に20歳になる猫がいます。
人間でいえば100歳になるお婆さん猫ですが、毛並みも良く、元気そのものです。
大好物は甘エビ。
小さく切ってもらってクチャクチャクチャと味わいながら食べています。

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この食べ方が長寿の秘訣。理想的な食べ方なのです。
ゆっくり噛む利点は、唾液が充分に分泌され消化を助けることにあります。
胃腸の負担を減らすと同時に、殺菌作用もあり感染症の予防にも役立ちます。

猫のように食べることが養生に良いことは、現代医学でも証明されています。
ゆっくり食べることでエネルギーや代謝酵素の節約につながっているのです。

食物を消化するときに使われるエネルギーは「非動力消耗」と呼ばれ、総消費エネルギーの10%を占めます。
この非動力消耗を100年節約すれば、単純計算で10年長生きできることになるというわけです。                    

さらに胃腸が丈夫で消化吸収能力の高い人は、摂取した総エネルギー量が体内の消費エネルギー量を超えて蓄積されていきます。これが肥満の原因となってしまいます。
肥満の人は正常の人に比べて数キロの重りを下げて生活しているようなものです。

それを支えるために多くのエネルギーが必要になり、また食べ過ぎてしまうという悪循環に陥るのです。
肥満状態が続くと、高血圧や痛風、糖尿病、心臓や脳の血管の病気を誘発するのは皆さんご存じの通りです。

※記事の無断転用は禁じます。

この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。

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