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Vol.6 ビタミンの摂り方

湯 忠立先生

2014/02/19

今は身近なスーパーやコンビニにも多種多様なビタミン剤などのサプリメントが所狭しと並べられていますね。確かにビタミンは体内に必要な物質、必須アミノ酸などを作るには欠くことのできないもので、三大栄養素である糖分(炭水化物)、蛋白質、脂質が体内でエネルギーや、筋肉・皮膚など体の構成成分に変わる時に、転換の手助けをします。そして原則的に体内でつくることができないため、不足すると三大栄養素をうまく転換できなくなり、体にさまざまな影響を与えます。

一般的にいえば、私たちの食事は良くできていて、私たちに必要な栄養素は普段の食事から充分に摂取できるようになっているので、あらためてビタミンの補給など考える必要はないといえます。

しかし、これが意外に難しいんですね。偏食や不規則な食生活の人はもちろん、力仕事を続けている人、夜遅くまで仕事をしている人、極端に暑いところや寒いところで働いている人、朝ごはんを食べない人、こういった人たちにとって適度なビタミンの補給はとても大切なことです。

では既存のビタミン剤を飲んでいれば、それで安心なのでしょうか? 
ビタミンは、その性質から大きく脂溶性ビタミン(A、D、E、K)と水溶性ビタミン(B1、B2、B6、B12、C、葉酸など)に分けられます。

水溶性ビタミンは水に溶けて油には溶けず、汗や尿などの水分と一緒に体外に排泄されやすい特性があります。そのため不足しやすいのですが、逆に摂りすぎによる影響を心配する必要はあまりありません。

一方、油に溶けて水に溶けない脂溶性ビタミンは体内で貯蔵され必要に応じて働くため、足りなくなることは少ないのですが、ビタミンAとDについては、必要以上にとりすぎると頭痛や吐き気などの症状をおこすこともあります。

また摂り方も気をつけなければいけません。特に脂溶性ビタミンは脂肪分と一緒に食べると消化吸収されやすくなりますが、水分だけでは吸収されにくいんです。このようにビタミンは他の栄養素と一緒に摂ってこそ、その真価が発揮されるというわけです。

薬膳では食材の組み合わせや調理法をとても大事にしますが、ビタミンについても、より消化吸収しやすいように食材を組み合わせたり、調理法を工夫したりしているんです。

毎日の食事を通してバランスよくビタミンを補給する、これが健康の維持・回復に最も重要なことといえます。

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。