あきゅらいず

Vol.160 腐乳

湯 忠立先生

2017/04/12

腐乳は豆腐乳とも呼ばれ、千年以上の歴史がある中国の食材です。記録に残っているものでは、五世紀、北魏の時代の書物に「豆腐を干して塩を加え、熟成させると腐乳になる」とあり、『本草綱目拾遺』にもその記述があります。

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腐乳は通常、青方、紅方、白方の3種に分類され、青方は臭豆腐とも呼ばれます。紅方と白方の違いは麹で、紅麹を入れると赤い腐乳(紅腐乳)となり、白麹を入れると、白腐乳となります。
紅腐乳は、表面が紅く、中は黄色がかかった白で、その濃厚な風味は、30に近い工程を経て作られます。
他の豆腐製品と同様に大豆を原料とするので、タンパク質が豊富で栄養価が高く、発酵食品なので、酵母の働きによって消化吸収の働きを助け、鉄分などのミネラル分を吸収しやすくさせます。
 
効能としては、血液をサラサラにし、消化を助ける。高血圧や老化防止、胃もたれ、消化不良に良いとされます。
日本ではあまり馴染みがないかも知れませんが、ひところ流行った「食べるラー油」のように、何にでも使える便利な食品です。ぜひお試し下さい。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。