Vol.162 窒素の話

湯 忠立先生

2017/04/26

私たちは呼吸によって新鮮な酸素を体内に取り込み、二酸化炭素を排出しているということは、皆さんご存知だと思います。実はこの吸い込む空気の中で酸素の割合は約2割に過ぎず、大気中の8割近くは窒素なんです。大部分を占める窒素は全く吸収されず、そのまま体外に吐き出されます。
 
では窒素は人間にとって何の役にも立たないかというと、そんなことはありません。窒素はアミノ酸など有機物の主原料となっていて、生物の体を構成する大事な元素なんです。
ではどのようにして窒素が体内に取り込まれるかというと、バクテリアなどの微生物が、空気中の窒素分子を生物が取り込める窒素化合物に変えてくれることによるんです。これが植物に取り込まれて蛋白質などの材料となり、それを動物が食べ、そしてまた人間が食べ、その後は排泄物や死骸をまたバクテリアなどが窒素分子に分解します。窒素は大気中と生物の間をグルグル循環しているんです。
 
私たちが食事で摂る蛋白質の質・量が適当であれば、体内に入る窒素量と便や皮膚から排出される窒素の量は等しくなります。体内の窒素バランスを保つことは、正常な筋肉組織を維持するためにとても重要で、例えばダイエット中にアミノ酸を充分に補充しないと、体内の窒素バランスが崩れて、体内組織が共食い状態となり筋肉組織にあるプロテインが破壊されてしまいます。つまり筋肉自体が衰えてしまうのです。
私たちの体内の活動も、大自然と繋がっていることが分かりますね。

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※記事の無断転用は禁じます。

この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。

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