ナツメはクロウメモドキ科に属する落葉樹で、赤褐色の実は甘酸っぱい味がします。
原産地は中国北部といわれていますが古くから世界各地で栽培されています。
日本でも万葉集に詠まれていて、この頃すでに菓子や薬用に利用されていたことが分かっています。
日本の茶道で使う棗(抹茶入れの器)も形が似ていることから名付けられたようです。
ナツメの実はいろいろな栄養成分を含み非常に栄養価の高い果実です。
中国では二千年前の≪神(しん)農本(のうほん)草(ぞう)経(きょう)≫に上品(じょうほん)として取り上げられ「補脾胃・養営安神・緩和薬性」の効能があると記されています。(※上品とは、無毒で長期服用が可能な養命薬のこと。上品・中品・下品がある。)
胃腸の消化機能を調整して栄養分をしっかり吸収し、精神を安定させる作用があるということです。
したがって老化を防ぎ、肌を美しく保つことができます。
古くからの言い伝えで「毎日3つナツメを食べたら一生年を取らない」といわれています。
また、食物や薬物の副作用を消したり軽くする働きがあるので、中医薬の処方に欠かすことはできません。
よく使われるので「元老」ともよばれています。
老化防止や美容効果があるので、中国では一年中よく食卓に登場します。
熟した実は生でも食べますが季節が限られますので、乾燥したものを使います。
中国のホテルの朝食でよく見かけるのがナツメ粥。
赤味を帯びた甘いお粥です。
ご飯に入れて炊くこともあります。
また蒸しパンの上に乗せたり、溶かして月餅など菓子の餡にしたりと色々な形で使っています。
蜂蜜に漬けた蜜棗や新鮮なものを酒に漬けた酔棗などはお酒のおつまみとして好まれています。
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