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Vol.57 味覚の異常について

湯 忠立先生

2015/02/18

食べ物に関係なく、口の中が異常な感じがすることがありますね。
これは内臓の異常が原因と考えられます。

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● 何を食べても味がしない、分からない。

多くは脾胃の働きが弱まり、消化機能が衰えている状態。
風邪や腹痛、下痢などのときによくみられます。症状によって、実証・虚証に分けられ、実証の場合は口中が粘々して吐き気や腹部が張る症状を伴い、虚証の場合は気力がなくなり軟便となります。
 
● 何も食べていなくても口の中が苦い感じがする。
 
ストレスが溜まるなどの原因で肝臓の作用が乱れ、胆嚢の気が上に溢れている状態。
頭痛や目眩、イライラする、食欲減退などの症状を伴い、小便は黄色くなります。
苦・寒の漢方薬や食材で調整する必要があります。
 
● 何も食べていなくても口の中が甘い感じがする。

甘味は脾胃と関係が深く、日常甘いもの辛いもの、味の濃いものなどを食べ過ぎていると、消化機能が損傷し食欲不振となります。
体内に熱が籠った状態(熱証)で、口中が渇き水分を摂りたくなるのが実熱、水分はあまり欲しくなく気力が衰えるのは虚熱の症状です。
 
● 口の中がスエた酸っぱい感じがある。

実証と虚証の場合があり、実証は肝機能が不調で脾胃の消化機能に影響していることが原因。
虚証の場合は脾胃の働きが弱く消化不良になっている状態。
常に暴飲暴食している人に見られ、大便は腐った卵の臭いがします。
消化を良くすることが第一に重要。
 
● 何も食べていなくても口の中が塩辛い感じがする。
 
腎臓機能が衰えている状態。腎陽虚と腎陰虚に分けられ、腎陽虚は目眩や手足の冷えを伴い、腎陰虚は耳鳴りや手先のほてりを伴います。
 
● 粘々する
消化不良の状態。便通を良くすれば改善されます。    

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。