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Vol.125細胞・人間・自然界

湯 忠立先生

2016/07/13

これまで人間の細胞の数は60兆個といわれてきましたが、2013年に、実は37兆個だという研究結果が発表されました。

もともとは一つの受精卵だった細胞が1個から2個、2個から4個、4個から8個と分裂を繰り返して、一人の人間が出来上がります。
その過程で、あるものは骨格に、またあるものは内臓に、そして別のものは筋肉にと、細胞自身が一つの生き物であるように、それぞれの目的を持って変化していきます。

そうした細胞が集まったものが、私たち人間の身体です。これは他の全ての動植物にもいえることです。

同じように、私たち人間が集まると、一つの社会が出来上がります。
それは家族や職場であったり、町や村、国家という単位を形成します。
そして人間たちの集団のほか、さまざまな動物や植物の集団が、自然界を形作っています。

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逆に見れば私たち人間は、細胞が人体の構成要素であるように、自然界の一つの構成要素であるともいえるのです。

こうした考え方が、中国医学の"整体観念"の基本の一つになっています。
一つひとつの細胞が支え合い、影響を与え合うことによって、私たちの日々の生活が成り立っています。
同様に、自然界の全ての生き物たちは、互いに支え合い、影響を与え合っているのです。

薬膳で、"何を食べるか"ということの重要性は、このような考えから導き出されたものなのです。

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。