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Vol.183 栗

湯 忠立先生

2017/10/ 4

栗ご飯やスイーツなど、秋の旬の食材といえば「栗」ですね。美味しいだけでなく、この時季に栗を食べるのは、薬膳の立場から見てもとっても理に適っているんです。

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栗が堅い殻に包まれているのは発芽するためのエネルギーをいっぱい溜めているからで、その中はたくさんの栄養素を豊富に含んでいます。「疲労回復ビタミン」と呼ばれているビタミンB1、老化予防によいビタミンB2、美容効果のあるビタミンC、アミノ酸合成や代謝を助けるビタミンB6、ナトリウムの排泄を促進して高血圧や動脈硬化の予防が期待できるカリウムなどなど、まさに栄養素の宝庫と呼ぶことができます。そして栗の良いところは、他の種子類は脂質が多いのに比べてデンプン質が多いためヘルシーで消化に良いところです。種子というより芋のような食感に近いのはそのためなんですね。このため、夏バテを引きずっていて食欲がないときでも、効率よくエネルギーやミネラルを補給することができます。夏の疲れを取るには最高の食材といえますね。
 
中国医学では、脾胃の働きを活発にして滋養強壮に役立ち、腎の働きを助けて老化による筋肉の衰えや腰痛にも効果がある食材として古くから食事療法に使われています。また温性の食材なので、血の巡りを良くして身体を温める作用もあります。薬膳では、栗ご飯やスイーツだけでなく煮物や炒め物など幅広く使われています。森の食堂でも幾つかご紹介していきたいと思っていますのでお楽しみに!
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。