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Vol.210 春は肝

湯 忠立先生

2018/04/11

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中国医学の基礎の一つとなっている五行学説では、春は「木」に分類されています。これは、春は草木がどんどん成長するように、生き物たちの命が育まれる季節と考えられるからです。私たち人間も、新年度を迎えて新しいことに挑戦してみたりと、やる気に満ちてきますね。でも気を付けなければならないことがあります。同じく五行学説では、私たちの内臓のうち「肝」が「木」に対応しています。春はどうしても、この肝の働きが異常に活発になりやすくなるのです。
 
現代医学でも肝臓は「体内の化学工場」と呼ばれるように重要な機能を持つといわれていますが、中国医学では「肝」は「気」の働きを調整する役割を担っていると考えています。したがって、肝の活動が活発になりすぎてバランスが崩れると、自律神経の調節機能に失調をきたし、興奮しすぎてイライラしたり、怒りっぽくなりがちな状態になってしまいます。また興奮して頭に血がのぼることで全身の血が不足することになります。
 
春は気持ちをゆったりさせて、リラックスを心掛けることが、とても大事なことなのです。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。