貧血の話の中で、血が不足している状態と、その循環が悪い場合を考えましたが、これも陰陽に当てはめると分かりやすいかと思います。
中国医学では「血」を単に血液と考えず、その働きも含めて捉えています。前に、体内の物質的なものが陰で、その働きを陽とするといいましたが、血液そのものを陰とするなら、その働きが陽になります。現代医学でも血液は
1.酸素を運んで二酸化炭素を回収する
2.栄養分を全身に運ぶ
3.病原菌を退治する(白血球の働き)
4.体温を調節する
などなど多くの役割を果たしているとされますが、中国医学では更に、精神活動や心理作用にも大きく関係していると考えています。前に陰陽の説明で、陰と陽は一つのものの二つの側面であり、その相互作用によって全ての活動が生み出されるといいましたが、血を単に物質的な血液と考えるのでなく、その働きを含めた全体として捉えていくと、例えば貧血という症状に対しても、より根本的な対応が出来るのだと思います。
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