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Vol.265 免疫力29

湯 忠立先生

2019/05/ 1

前回まで、食事を通して免疫力を高めるにはどうしたら良いかを薬膳の視点から見てきました。先ず、どのように食べたら効率よく栄養分を活用できるかに注意すること、次に食材の性質を上手く利用することが重要だということをお話ししてきました。
 
実際の食事では、ただ一つだけのものを食べるということはありませんね。いろいろな食材を組み合わせて全体の料理が出来上がります。実はその組み合わせ方によって食材の効能にも大きな変化が起きるんです。例えばAという食材はBと組み合わせると効果がより大きくなりますが、Cと組み合わせると効果が無くなったり、場合によっては悪影響を及ぼすということがあります。日本でも鰻と梅干や天ぷらとスイカなどの「食合わせ」を言うことがありますね。薬膳では臨床実践の中から、どのように食材を組み合わせたら良いかという理論を作り上げてきました。それは漢方薬を処方する時と同じ考え方を基礎にしています。一つの生薬を別の生薬と組み合わせることで、より効果的にするのが漢方薬の処方です。組み合わせの結果、単独では考えられない効能を生み出すこともあります。こうした方法を食材に応用したのが薬膳の組み合わせ理論です。次回からは免疫力を高める食材の組み合わせについて考えていきましょう。
 
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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。