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Vol.276 ハトムギ

湯 忠立先生

2019/07/17

森の食堂でも、ご飯やお粥にハトムギをよく使いますが、その効能についてお話しましょう。

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中国では2千年以上前から食用に栽培されていたようで、古くからお馴染の食材です。中国医学の古典『神農本草経』に「上薬」として取り上げられ、『本草綱目』にも「脾の働きを正常に戻し湿邪を除く」と記されています。ハトムギの種子を脱穀したものが薏苡仁(ヨクイニン)で、漢方薬ではこの名称が使われています。消炎・利尿・鎮痛・排膿作用があり、体内の水分や血液の流れをよくして、 新陳代謝を活発にし、解毒・排泄を促すとされています。
 
現代栄養学でも多くの研究論文が発表されていますが、美肌効果、抗アレルギー効果、そしてアトピー性皮膚炎や尋常性白斑などにその効能が認められています。また、最近の研究では、ハトムギにだけに含まれるコイクセノライドという成分が、ガンなどの 腫瘍に対して、予防や抑制の効果があることも認められています。今後の研究によって更に多くの効能が発見されることも期待されているようです。
 
ハトムギは、お米や小麦の2倍のタンパク質を含み、ビタミンB1・B2や必須アミノ酸・葉酸・カリウム・鉄分・ ナイアシンなどのミネラルが豊富で、それに加えてお米の8倍も食物繊維を含んでいる栄養価の高い食材です。毎日の食生活に是非活用してください。 
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。