あきゅらいず

Vol.133キクラゲ

湯 忠立先生

2016/09/14

キクラゲは、使い易さや効能の多様さで古くから食用に用いられてきました。
二千年前の「神農本草経」という薬草の古典にも既にその記事が載っていて、体液の新陳代謝を活発にして全身を潤すと記されています。

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近代の研究では、キクラゲの有効成分は人体の免疫能力を増強し、リンパ細胞と白血球の殺菌作用を活発にし、骨髄の造血機能を高めることが分かりました。
高血圧や動脈硬化、貧血、免疫力低下による病気などの他、抗癌の補助治療にも良く使われています。 

キクラゲは中国では木耳と書き、黒木耳と白木耳の2種類あります。
ふつうキクラゲというと黒木耳を指し、白木耳は銀耳ともよばれます。

黒木耳も白木耳も基本的な効能は同じですが、違う点もあります。
黒木耳は特に肺の機能を助けますので、慢性の喘息の治療に良く使われます。
白木耳は肌を潤す作用が大きいので、美容の効果が際立っています。 それぞれの特徴を活かして、上手に使い分けるようにしましょう。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。