あきゅらいず

Vol.145 調理は化学

湯 忠立先生

2016/12/21

同じ食材でも、調理法によってその性質が変わることがあります。

例えばレンコンは生のときは甘・寒の食性で主に熱を冷ましたりすることに使われますが、煮た後は甘・温に変わり滋養強壮に用いられます。

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調理するということは食材の性質を変えることでもあるのです。
 
食材の性質が変わるということで、中国薬膳学では、調理を一つの化学反応として捉えているといえます。

ある食材に別の食材や熱が加わることによって、元の食材の性質が変わってきます。
その変化の仕方は、食材の組み合わせと熱し方によるのです。
従って、より効果的な食材の組み合わせと熱の加え方が重要なポイントになります。
 
例えば、食材を煮る場合、弱火でじっくり煮含めるようにする場合と、グツグツ煮出す場合があります。

食材の特性をその素材の中に閉じ込め、効果を高める場合はじっくり煮含めます。
また素材の特性を溶け出させるためには、グツグツ煮るというわけです。
それによって出来上がる料理の形も違ってきます。
 
料理と化学の実験はとてもよく似ているものだと思いませんか。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。