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Vol.11 花粉症は日本人のもの!?

湯 忠立先生

2014/03/24

「今年もまた嫌な季節が巡ってきた・・・」と感じている人も数多くいることでしょう。

世界的に見ると花粉症はそれほど多発しているとはいえませんが、日本では何故か[季節性国民病]といえるほど猛威をふるっています。

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今や「花粉症でなければ日本人ではない」という感じさえしますね。
正確にいうと、医学的には花粉症という病名はありません。

免疫性疾患の一つ「アレルギー性鼻炎」の範囲に分類される疾病なのです。
花粉症は一般的に「春のスギ・ヒノキなどの花粉が原因」とされていますが、これは一面的な見方なんですね。

仮に、花粉症の原因とされる山の木を全部切ってしまったら、花粉症はなくなるのでしょうか?

分かり易い例を挙げると、日本の山間部の農村は花粉の飛散濃度が都市部より遥かに高いのですが、花粉症の発病率は都会よりも低いという統計結果があります。

これは何を意味しているのでしょう?

中国医学では、花粉症発生のメカニズムは、免疫機能の低下が原因で、花粉の有る無しは発病のきっかけに過ぎないと考えています。
花粉症対策を考える場合、免疫機能の改善が重要だといえるのです。

花粉症予防の食事の基本は、できるだけ自然なものを、そして色々な種類のものを食べるようにすることです。

例えば主食のご飯の中にビタミンやミネラルを多く含む雑穀類を混ぜるようにすると良いでしょう。

中医食療学と現代栄養学を合わせて考えた花粉症にオススメの食材をご紹介しましょう!

【ハトムギ】
中国歴代の皇帝や貴族たちが美容健康食品として愛用していました。
現代の研究でハトムギに含まれる成分には免疫機能を調整し
アレルギーを抑える作用があることが分かりました。

【黒米】
中国では長寿米とも呼ばれ、皇帝への献上品として用いられていました。
免疫細胞の新陳代謝を促進させる作用があるミネラルやアミノ酸が豊富で、
炭水化物の成分の割合が低いのが特徴です。

【海草】
昆布やワカメ、海苔などは海の野菜と呼ばれ、大量の食物繊維を含むほか、
特殊なアミノ酸やビタミンも豊富です。特に『螺旋藻(スピルリナ)』と
呼ばれる成分には免疫機能を高め、抗癌作用もあります。

【シソ(葉・種)】
中国では数千年にわたって蕁麻疹やアレルギー性疾患の治療に用いられてきました。
近年でも薬膳などの食事療法に用いられて、アレルギー性疾患や免疫性疾患の
治療補助に成果を収めています。

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。