あきゅらいず

Vol.15 食材としての蓮

湯 忠立先生

2014/04/18

濁った沼地でも美しい花を咲かせるの花は、古くから特別の印象を与える存在だったようです。
 
多くの仏像が蓮の花を台座にしているのは、れた(現実世界)と清らかな極楽(仏の世界)の対比を象徴しています。

蓮の花の御利益を願って、食用・薬用に利用されたのは相当古い時代からのようで、2000年前の≪神農本草経≫には既に、その記事が載っていました。

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蓮は、根から花まで細かく分けて利用されています。レンコンは蓮の根の部分で、食用と薬用に使われます。

日本でもお馴染みの食材ですね。

中国南部では日本と同じように食材として様々な料理に使われています。

私のいた中国東北部では旬の時期が短いので、乾燥したものを薬用に使うケースが一般的でした。

消化機能を活発にし、血液の循環を良くする作用があります。
また、肌を美しくする効能もあります。
 
蓮の実は、中国では「蓮子」とよばれ、生命力を養い、精神を安定させる働きがあるとされます。
不眠症の治療薬膳としての評価が高く、男性の精力回復にも使われています。

神経衰弱や不眠症に効果があります。

この他、蓮子芯(蓮の実が熟す前の若芽)、蓮須(蓮の花芯)、
蓮房(蓮の実をのせる花盤の部分)、蓮葉など、根から花まで色々な形で、
食用や薬用に使われています。

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。