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Vol.24 「気」のはたらき

湯 忠立先生

2014/06/18

生まれてからずっと、私たちの体の中は休むことなく活動しています。

心臓だけを考えても、脈拍が1分間に80回とすれば一日に約12万回、血液を全身に送り出していることになります。
一年では4千万回以上、80歳まで生きたなら32億回! 
でもそのうち自分で意識して心臓を動かすことは一度もありませんね。

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他の臓器も同じです。食事をするとき、私たちは胃袋に向かって「さあ、しっかり消化しなさい」とは言いませんよね。
当たり前のように、各内臓はそれぞれの仕事を黙々とこなしています。

とても不思議だとは思いませんか?
 
中国古代の人も、私たちの意識に関係なく動いている内臓の働きを不思議に思い、その理由を考えたのでしょう。
そして、それは「気」の働きである、と結論付けました。

あるいは「気」のはっきりした概念があって、それに照らし合わせて私たちの体の中の動きを説明したのかもしれません。
 
中医学では、この「気」の働き方によって、いろいろな名前をつけています。

【元気(原気)】これは生命力そのものと考えて良いでしょう。成長するのも、日々活動できるのも、この元気のおかげ。
日本語の元気とは意味合いが違います。(がちょっと似てますね!)
【宗気】肺の呼吸活動や、そのほかの肺の活動全てに関わっています。
【営気】食べ物から取り込んだ栄養分であり、その作用も含めたものです。
【衛気】護衛、防衛の気です。体温が逃げないようにしたり、
外部から病気の原因となるものの侵入を防いだりします。
 
「気」が私たちの体の中の活動を指揮している・・・・・・。
そう考えると「気」ってとても素敵なものだと思えてきますね♪

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。