梅は、中国古代の薬草事典『神農本草経』にも載っているほど古くからその効果が知られていて、唐朝の医学書に載っている「千金要方」と呼ばれる梅を使った処方は、今でも医療現場で薬として使われています。
現代薬理学の研究でも梅の殺菌作用や抗真菌作用が公認されています。
この梅について面白いお話をしましょう。
梅自体の性質は寒です。
その梅をお酢に漬けると、弱い寒が(強い寒)になります。
梅酒にすると、寒性は一変して温になります。
梅干にすると、(強い寒)、つまり寒性が強調される性質になります。
梅を蜂蜜に漬けた場合、蜂蜜の量が多いと温になります。
蜂蜜の量がほどほどであれば平になります(中国にはそんな蜂蜜漬けのお菓子があります)。
同じように砂糖と蜂蜜をいれた梅のジュースは平になります。
また、お酒のつまみなどにおいしい焼き梅(炭火で焼くとおいしいですよ)がありますが、これは温性です。
このように、食べ物の性質はちょっと手を加えることで大きく変化することがあるんです。
不思議ですね!
ですから薬膳の煮る、炒める、漬けるなどの調理は、実はとても大きな意味を持っていることになります。
食材の寒熱といった性質を調理法で変えていくのも、薬膳の奥深いところといえますね。
◆梅シソドリンク ◆
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