あきゅらいず

Vol.38 薬膳の脇役

湯 忠立先生

2014/09/24

薬膳では意外な食材を意外な方法で調理することがありますね。
皆さんも時々驚かれることがあると思います。
 
薬膳で使う調味料は、美味しく食べられるよう味を調えるために使うのはモチロンですが、実は調理法や使う調味料にはそれぞれの意味があるんです。
 
中国薬膳学では、調味料や香辛料も食材と同じように、性質(四気・五味)や働きを分類しています。
その中には、食材の毒性や副作用を中和させたり、中心となる食材の効果を大きくしたりするほか、それ自身が独自の作用を持つものもあります。

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例えば、生姜や桂皮(けいひ)(シナモン)は体を温める作用があるので、寒い季節や体が冷える時には多めに使うようにします。

また寒性の強い食材を食べる時に、その性質を和らげるために生姜や桂皮を組み合わせることもあります。
蟹(寒性の食材)を食べる時に、生姜(温性)をすりおろしてタレに入れるなどがその例です。
 
消化や血行を良くする「米酢」、血行を良くする「紅花」、発散作用のある「唐辛子」、解毒・殺菌作用のある「ニンニク」、腎を温める作用のある「ウイキョウ」(フェンネル)、肝腎の働きを助ける「クコ」、体内を潤す効果のある「松の実」・・・

どれも料理の中で主役ではありませんが、重要な脇役として
薬膳には欠かせないものです。
 
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。