akyrise

Vol.37 春(ツゥン)捂(ウ)秋(チィュウ)凍(テゥン)

湯 忠立先生

2014/09/18

「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが、彼岸前後の温度差にはビックリですね。

今年は厳しい暑さだっただけに、涼しさにホッとするこの時季は夏の疲れが出やすくなります。
体調を崩しやすくなりますので注意が必要です。
 
中国に『春(ツゥン)捂(ウ)秋(チィュウ)凍(テゥン)』という言葉があります。
「春は急いで薄着になってはいけない、秋は慌てて厚着をしてはいけない」という意味で、要するに、「身体を気候にゆっくり順応させなさい」という心構えです。

aki.jpg
 
秋にあまり早く厚着をすると体内に熱を発生させて汗をかき、津(しん)液(えき)(体内の陰)を損傷させ、陽気も排出してしまいます。

また少し寒いくらいの刺激は、大脳の働きを活発にして皮膚の血流の量を増加させます。
皮膚の代謝が良くなれば寒さへの抵抗力も強まり、風邪などの発病を抑えることができます。
 
もちろん『秋凍』は個人差があり、天気の状態によっても変わります。

お年寄りや小さい子供、体力のない人は体を冷やさないように注意が必要ですし、急に気温が下がったときや雨のときなどは『秋凍』にこだわらずに衣服を調整しましょう。           
 
 

※記事の無断転用は禁じます。

この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。