akyrise

Vol.54 良薬は口に苦くない♪

湯 忠立先生

2015/01/21

人間の味覚は基本的に、酸(すっぱい)、甘(あまい)、苦(にがい)、辛(からい)、咸(しょっぱい)の五味に分けられます。
その他の複雑な味も、五味が混ざり合ったものといえます。

この五味を感じ取っているのが、舌(ぜつ)乳頭(にゅうとう)(舌の表面にあるとても小さな突起)にある味蕾(みらい)という細胞です。
味蕾は舌全体に分布していますが、その部位によって感じ取る味覚が違っています。


舌の先の部分は「甘い」、舌縁部分は「酸っぱい」、舌の根元部分は「苦い」という具合です。
したがって苦味を強く感じる舌の根元部分を避けて薬を飲めば、苦味は弱くなるということになります。
 
また味覚は食物の温度によっても影響を受けます。
一般的には20~30℃が最も味覚が敏感になりますので、苦い漢方薬も少し冷ましてから飲めば苦味も和らぎます。
 

※記事の無断転用は禁じます。

この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。