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Vol.64 穀雨

湯 忠立先生

2015/04/ 8

二十四節季で清明の次に来るのが穀雨です。
4月20日頃から立夏までの15日間に当たります。

中国では古来「雨は百穀を生む」といわれ、この時季の降水は植物の成長に極めて重要だとされています。

といっても梅雨のように、雨ばかり降っているというわけではありません。
植物が芽生え成長するために、この時季は充分な水分の補給が必要だという意味です。

これは私たち人間にとっても同じです。
気温の上昇に随って、体内の水分が不足しがちになるのです。

そのため抵抗力が衰えて、風邪や慢性病に罹りやすくなります。
特に寝ている間は水分の消耗が大きいので、朝起きたらコップ1杯の水を飲むようにすると良いでしょう。

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これは、水分を補給するだけでなく、胃や腸をきれいにし、脳や心臓など循環器系の病気を予防する効果もあります。
 
穀雨の時季は春も終わりに近づいています。
体内のバランスを調えるために、寒涼性の食物も摂るようにしましょう。

特にお薦めは、ホウレン草です。
全身の血液の流れを良くして各臓器を潤し、その働きを助ける作用が大きい最高の食品です。

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また果物やトマト、キュウリなども食べると良いでしょう。
ただしこうした寒涼性の食物は冷やしすぎないように注意しましょう。
冷たいものは胃腸に強い刺激を与えて、その活動を衰えさせてしまうからです。

またビタミンB群を多く含む雑穀類は、春の気怠さを解消する効果が大きいので、この時季のおすすめ食品といえます。

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。