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Vol.71 薬膳は栄養補給だけじゃない

湯 忠立先生

2015/06/10

私たち人間にとって、食事は生命の維持に欠かせないものです。このことは誰でも当然のことと思っておられるでしょう。
でも、「食べる」ということは単にエネルギーを補給すれば良いものなのでしょうか?

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食事が「エネルギーの補給」だけのものなら、人間にとって必要な栄養をどんどん取り込めば良いでしょう。
一年中、同じものを食べていればOKということになりますね。ところが実際にはそう簡単にはいきません。
 
薬膳では、食物の栄養価だけを問題にしているわけではありません。
食物は、その組み合わせや調理法によって性質が変化し、時には人体に悪影響を与えることもあります。

これは季節や環境、その時々の体調によって、同じものを食べても体内での反応が違うからです。

もちろん、一人ひとりの体質の違いによっても大きく影響されます。こうした変化を無視して同じものを食べ続けていると、体内の代謝活動は乱れてしまい、遂には肥満症やアレルギー性疾患、高血圧や糖尿病など生活習慣病の原因となってしまいます。

薬膳(=正しい食事)は、その時々、その人が、何を!どう!食べたらよいかを考えていくものなのです。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。