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Vol.74 小暑

湯 忠立先生

2015/07/ 1

ちょうど七夕の頃、二十四節気では小暑がやってきます。
これは字の通り、これから暑さが本格的になる季節を表しています。

小暑を細かく分けた七十二候では、暖かい風が吹き始め、セミの鳴き声が聞こえ、鷹の雛が飛ぶことを覚える時期としています。
梅雨明けが近づき、集中豪雨が多く発生する時期でもあります。
 
私たち人間にとっては、夏の暑さのため倦怠感や疲労感を覚え始めるころです。
これは、汗をかくことが多くなって、体内のカリウムが汗と一緒に大量に排出されてしまうからです。

カリウムは、体内で心臓や筋肉の機能を調整する働きがあります。
これが不足すると、筋力が低下して脱力感を覚えたり、知覚が鈍くなって反射が低下したりという症状が出やすくなります。
夏バテもカリウム不足が原因の一つといえるんです。
 
ジャガイモや小豆、えんどう豆、枝豆、セロリ、ほうれん草、昆布、牛乳など、日常の食事でカリウムが含まれる食物を充分に摂ることが、夏バテの予防につながります。

また酢を多く摂ることも大切です。
酢は、体内の乳酸を活性化させ、体液のpHを中性に調整する作用があるので、疲労回復に役立ちます。

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。