ギネスブックに、世界で一番栄養価の低い果実としてキュウリが登録されていることはご存知でしょうか?
ほとんどが水分のこの野菜に含まれる栄養素は、他の野菜に比べて確かに少ないかも知れませんね。でも中国医学では、キュウリには「清熱解毒(体内の熱を冷ます)・利水消腫(体内の水分代謝を良くする)・潤膚美容(肌を潤す)」の働きがあるとして、昔から食事療法などで使われてきました。中国医学の基礎が出来上がった2,000年前は、今ほど栄養学も発達していませんでしたが、逆に誰が食べても同じ効果が得られえるという、長い時間をかけた実践の積み重ねによって食材の性質や働きが判断されたのです。
私たちが食材の効能を判断するとき、つい栄養成分に目が行きがちですが、意外に思われるかもしれませんが、食材の栄養成分とそれが持つ働き・作用は、別のものといえるのです。この食材は栄養成分が多いから良い、こちらは栄養価が低いから悪い、ということにはなりません。世界一栄養価の低いキュウリでも、その働きは大きなものがあります。特に夏、暑いときは、キュウリは私たちにとって最適の食材の一つといえるのです。
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