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Vol.139 香辛料は漢方薬

湯 忠立先生

2016/11/ 2

世界にはたくさんの香辛料がありますね。インドのカレーに使うスパイス、イタリアのハーブさまざまです。

もちろん中国にもありますが、一般によく使われるものは、桂皮(別名シナモン)、白止(ビャクシ、別名バイズ)、大茴香(ダイウイキョウ、別名フェンネル)、小茴香(別名アニズシード)、乾姜(カンキョウ、干した生姜の粉)、 白豆冠(ハクトウコウ)、薄荷(ハッカ)、丁香、木香、陳皮、胡椒、八角、山椒の13種類です。このうち、胡椒・八角・山椒以外は、中国ではすべて漢方薬です。
 
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こうした香辛料を使った料理をみると、例えば寒い地域ではとても辛い食べ物がありますね。
中医の考え方から言うと、陰陽のバランスを保つ、つまり辛さの刺激が「寒」を押し戻し、「熱」とのバランスをとるから身体にいいのです。
人の身体は「寒」に傾きすぎてもダメ、「熱」に傾きすぎてもダメです。
陰陽のバランスが保てるように、寒い地域では身体を温める食べ物が、暑い地域では身体を冷やす食べ物が自然淘汰されて残っています。

世界中の香辛料はその地域にあった漢方薬と考えていいでしょう。

長い歴史の積み重ね、試行錯誤、経験の積み重ねで生活環境に合った食べ物が出来上がったのです。 
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。