中国では新しい春を迎える立春の日に 春餅(チュンピン)を食べてお祝いする習慣があります。
春餅は、小麦粉で作った皮で肉や野菜を包んで食べる中国風クレープのようなものです。この風習の起源は、2000年以上前の春秋戦国時代まで遡ります。
当時は「五辛盤」で春の神様を祀っていました。五辛盤とは字の通り、ネギ、ニンニク、ニラ、香菜など辛味のある野菜のことで、これを神様に供えてから食べたのです。
晋の風土記の中に「元旦(立春)に五辛盤を作る。これらの辛味が体を鍛錬する」とあり、注に「辛味は五臓の気を活発にする。【荘子】にも春は酒を飲みネギを食べれば五臓に通ずると云う。」と書かれています。また李時珍は【本草綱目】で「立春にネギ、ニンニク、ニラ等を食べるのは、新しい息吹を迎えるという意味である。これを五辛盤という。」と述べています。
薬膳理論では、辛味には発散作用があるとされます。新春に辛味を食べるのは、体内活動を目覚めさせ、活発にする意味があるのです。
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