akyrise

Vol.152 春を食べる

湯 忠立先生

2017/02/ 8

中国に「立春に食べる大根は梨よりうまい」という諺がありますが、立春の日に大根を食べる習慣は「咬春(ヤオチュン)」と呼ばれています。

大根の辛い味を咬み砕くように、どんなに辛いことでもグッと堪えていれば万事うまくいく、そんな気持ちが込められているのでしょう。暖かい春はもうすぐそこまで来ているのですから。
 
新しい春を祝う春餅と苦難を乗り切ろうという咬春は、次第に融合していくことになります。遅くとも清の時代には一つの行事とされ、春餅には大根が欠かせなくなっていました。やがて春餅を食べることを「咬春(春を食べる)」と呼ぶようになったのです。

daikon.jpg

※記事の無断転用は禁じます。

この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。