中国に「立春に食べる大根は梨よりうまい」という諺がありますが、立春の日に大根を食べる習慣は「咬春(ヤオチュン)」と呼ばれています。
大根の辛い味を咬み砕くように、どんなに辛いことでもグッと堪えていれば万事うまくいく、そんな気持ちが込められているのでしょう。暖かい春はもうすぐそこまで来ているのですから。
新しい春を祝う春餅と苦難を乗り切ろうという咬春は、次第に融合していくことになります。遅くとも清の時代には一つの行事とされ、春餅には大根が欠かせなくなっていました。やがて春餅を食べることを「咬春(春を食べる)」と呼ぶようになったのです。
※記事の無断転用は禁じます。