私たちは食物から栄養分を吸収して活動のエネルギーにしていますが、食物の働きはただそれだけではありません。中国薬膳学では、補・瀉・調という3つの役割を果たすことができると考えています。
「補」は不足しているものを補うということですから、皆さんが食物の働きと考えていることと言って良いでしょう。「瀉(シャ)」は、体内に籠った熱を冷ましたり、溜まった水分を排出するなど、余分なものを取り除く作用です。具体的には、ハトムギで湿邪を取り除いたり、小豆で水腫を治療するといった形で使われています。そして「調」は、体内の陰陽のバランスを調整するものです。例えば、陽虚の人には羊や牛の肉、生姜など甘温・辛熱の食物で陽の気を補助し、陰虚の人には百合、はまぐり、スッポン、ナマコ、白キクラゲなど甘涼・鹹寒の食物で陰を補充して津液生成を助けるといった使い方をします。
このように、食べた後に食物がどんな働きをするかに注意することも薬膳では大事なことだと考えているのです。
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