あきゅらいず

Vol.172 その地の名物料理を

湯 忠立先生

2017/07/12

食物は主に植物と動物から得られますが、関係資料によると自然界には人間の食物となっているものが数千種以上あるそうです。さらに人類の食物に対する知識が深まるにつれて、その数は増え続けています。国や民族が違えば伝統的な文化が違い、飲食の習慣も異なります。食物に対しても違った選択がなされ、それぞれの伝統的な食物ができてきたのです。
 
こうしたものを調べてみると、その土地土地に相応しい食物が選ばれ、調理されてきたことが分かります。一つ例を挙げると、中国の四川省は一年中、湿度が高く蒸し暑い環境ですので、発散作用の大きい食材が多く使われます。出来るだけ汗をかくようにして体内に湿が籠らないようにしているのです。四川料理が辛いというのも、薬膳の立場で考えると当然ともいえます。

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環境の違いによって、さまざまな食文化が生まれてきたのですから、旅をしたときなどは、その土地の名物料理を食べるようにすると良いでしょう。何故こうした料理ができたかを考えるのも旅の楽しみになりますね。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。