今では世界中で食べている大根ですが、その歴史は古く、原産地がどの辺りだったのかはよく分かっていません。紀元前3000年頃の古代エジプトでピラミッドの建設に携わっていた労働者に配られていたという記録や、壁画にも描かれていることから地中海沿岸で栽培が始まったのではないかという説が多いようです。今では世界中で様々な種類の大根が食用として育てられています。
中国では2000年前の著書に"芦菔"という名で記され、6世紀の『斉民要術』には栽培法も記載されています。唐の時代の『本草』には"莱菔"の名称で薬用価値が高いことが記されています。宋代の『本草図経』には中国各地で一般的に栽培されていると書かれています。明代の李時珍が編纂した『本草綱目』では「菜蔬(野菜)の王」とされています。長い間人々に滋養効果の高い食材として親しまれ、尊重されてきたことが分かりますね。
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