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Vol.219 梅雨の養生法2

湯 忠立先生

2018/06/13

数千年前から中医学では気候環境の変化は人体に影響を与えると唱えています。中でも「湿」は、病気の原因となったり症状を悪化させる重要なポイントであるとされます。正常な状態では、人体は外界の温度や湿度の変化に対応できる調整能力を持っていますが、体質や病気、悪い生活習慣などによって体内の水分調節機能が失調して、水分が排泄されなくなってしまうことがあります。長夏の時季は特に、部屋の風通しを良くして、雨に塗れたときはすぐに拭き取って着替えをし、また曇った日には長くプールに入らないようにするなど、湿が体内に入り込まないように注意が必要です。

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中医学の基礎となっている五行の考え方では、五臓のうち脾が土・長夏に当ります。脾という臓器は食べ物の消化・吸収を担っている器官です。そして湿が体内で悪さをすると、脾の働きを損傷しやすいという性質があります。
 
現代人の生活は、冬は暖房、夏は冷房という環境にあって、季節感を感じにくくなっています。汗をかくべき夏には冷房で汗を体内に留め、冬の暖房で薄着でも汗をかいているという具合です。そして体の奥深くでは、湿が私たちの健康を脅かそうとしているのです。
 

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この記事の投稿者

薬膳監修:湯 忠立(たん ぞんり)先生

中国遼寧中医学院大学付属病院の院長を務め、現在は東京・吉祥寺で中国医学整体院を営む。