伝統的な中国医学では「免疫」という言葉は使われていませんが、よく似た考え方がありますので、先ずこちらをご紹介しましょう。
中国医学では、発病の原因を正気と邪気の闘争と捉えています。正気は私たちの体内の活動全体を指し、邪気は病気の原因となる様々な要素のことです。しかし邪気が体内に入ったからといって、誰もが病気になるわけではありません。一端、邪気が体内に入ると、正気は直ちに対抗処置を取ります。そして正気が強力であれば、邪気は消し去られて発病に至ることはありません。つまり、正気と邪気の力関係によって、病気になるかならないかの違いが出てくるのです。
如何でしょうか、免疫という言葉はありませんが、病気を引き起こす要因に対する体内の活動という点で、よく似ている考え方だと思いませんか。そして中国医学では、邪気に打ち勝つために正気を強くする方法を、臨床実践の中から作り上げてきたのです。これを今の言葉で言うと「免疫力を高める」ということになるのではないでしょうか。
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