不足しているもの(虚)を補えば「正気」は正常な状態になるのですが、それでは「虚」とは何でしょうか。中国医学ではこの状態を「虚証」(「証」はその時の状態を表すと考えてください)と呼んでいます。
ひと言で虚証といっても、その症状はさまざまです。一般的に、疲れやすく気力が出ないなどという特徴があります。大きく分けると虚証には2つの種類があります。陰陽を基礎とする中国医学では、陽=気=熱、陰=血・津液=寒と分類しますので、
1.陽気が不足して相対的に陰(寒)が強くなった「虚寒証」
2.陰液が不足して相対的に陽(熱)が強くなった「虚熱証」
この2つが基本的な虚証のタイプになります。
(陰陽がバランスを崩すことで、陰陽ともに衰える「陰陽両虚」という場合もあります)
こうして見ると、免疫力を高める(=「正気」を強くする)といっても、その人その人によって、何を補えば良いかが異なることが解りますね。
※記事の無断転用は禁じます。